今や、印刷物を作成するのはDTPが当たり前になっていますが、1970年代まではアナログ(手作業)でデザイナー、写植オペレーター、版下、製版とそれぞれのプロフェッショナルによる分業が行われていました。
1980年代にマイコン、パソコンが導入された際は、写植・版下・製版などアナログ時代に培われた技術の上に開発された日本語専用システムでした。
しかし、海の向こうからやって来たDTP(英語のローカライズ)は日本語専用システムとの交点は少なく、別物でした。
この度は、過去のアナログ、日本語専用システムを知ることは、これからのデジタル、DTPのあり方を考えるヒントになると考え、この展示会を企画しました。
この展示会は日本語専用システムとDTPを隔てる暗い川を提示し、アナログからデジタルへの変遷が一目で見て取れる内容になっています。
ガチャンカチャカチャと音を立てて歯車が回り稼働する手動写植機、モリサワMC-6型、モリサワ電算入力校正機、MK-110の展示もあります。どうぞ実際に触ってみて当時の作業内容を体感してみてください。
会期:10月14日(月・祝)〜10月22日(火・祝)
会場:メビック扇町
展示:スペース1・2・ロビー ※展示を観るのは無料
[平日] 11:00〜21:00 [14日・土・日] 11:00〜18:30
[最終日] 22日(火・祝)11:00〜17:00
講演:スペース3
14:00〜18:00 22日(火・祝)13:00〜17:00
10月14日(月・祝) 参加費:2,000円
セッション1:Illustrator[過去・現在・未来]
[スピーカー]カワココ氏、hamko氏、宮地で鼎談。
Illustratorとの出会い、現在、行く末を大放談。
セッション2:Illustratorで光の表現再び
AdobeIllustratorにRGBモードが採用されたのは19年前、Ver.9からです。それは印刷のためではないディスプレイ表示のために使用する成果物の登場の瞬間でもありました。
印刷を振り返る今回の展示で、紙に色をつけるのではなく、モニターが発する色そのものを操って絵を作る、あえてRGBをやる意味、あります。
デジタル化したこそ光と紙をの垣根を飛び越える術についてお話しします。
[スピーカー]カワココ氏
セッション3:Illustrator大好き・はむこさんの
「○△□でなにつくろ?」大阪出張版
今回のセッションでは、CSからCCへとアプリケーションが進化していく中で、個人的にイチオシの機能を解説していきます。機能の変遷を紐解きながら、Illustratorとの楽しい付き合いかたを模索してみましょう。
[スピーカー]hamko氏
10月19日(土) 展示会記念セッション:参加費無料
セッション1:手動写植、電算写植の解説
ジャスティファイや禁則処理やあんなんもこんなんもオペレーターが手でやっていた手動写植。なぜできたのか?
日本語組版電算写植第一世代はテキストにファンクションコードを入れる方式でした。今のHTML、CSSと同じようなコーディングだったのです。それで日本語組版に必要な機能はすべて備えていました。日本語組版に苦しむHTML、CSSとどこが違っていたのでしょうか? 今では知る人も少なくなった写植組版、これからのDTP組版、Web組版のヒントになるかもしれないという話をします。
[スピーカー]宮地知
セッション2:前田年昭氏、海輝氏、枝本順三郎氏の鼎談
電算写植のコーディング(写研SAPCOL、モリサワCORA)とHTMLやCSSとの比較、共通点と違う点
→[スピーカー プロフィール]
10月20日(日) 参加費:2,000円(複数日参加は割引有り)
作る人、藤田重信氏 使う人、坂野公一氏 読む人、正木香子氏
書体デザイナー藤田氏とデザイナー坂野氏の濃いい対談。
そして読書人のための書体エッセイスト正木氏が加わっての鼎談
→[スピーカー プロフィール]
10月22日(火・祝) 参加費:2,000円(複数日参加は割引有り)
セッション1:WebフォントとこれからのWeb
[スピーカー]関口浩之氏
セッション2:デザイン[過去・現在・未来]
グラフィックデザインを取り巻く環境は、この30年で大きく変化しました。特に1980年代後半から1990年代にあったDTP化の波は、たいへんドラスティックなものでした。印刷工程や道具の変化は、デザイナーの行動や思考にも少なからず影響を与えたはずです。では「デザイン」そのものは、DTP以前と以降とでどのように変わったのでしょうか。あるいは変わらなかったのでしょうか?当時のデザインを見ながら、また過去の手法と現在との違いなどを具体的にお話しながら、参加者のみなさまと一緒に考えてみたいと思います。
[スピーカー]伊達千代氏、島﨑肇則氏